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ラ・ラ・ランド【ネタバレあり感想】★7

 デイミアン・チャゼル監督の最新作バビロンがめちゃくちゃ面白かったので,チャゼル監督の作品の中で今まで観てこなかったラ・ラ・ランドも履修しておこうかなぁと思って今更ながらアマプラで観てみました。

 いままで観なかった理由は,ミュージカル映画があまり好きではないっていうのと,エマ・ストーンが好きじゃないってところです。

 ミュージカル映画レ・ミゼラブルが全然楽しめなくて以来避けていて,あれ以来一作も劇場で観ていません。

 そろそろ毛嫌いせずにまた観に行ってみようかな。

 エマ・ストーンが好きじゃないのは,顔が好きになれないっていうどうしようもない理由です。

 

 そんな「チャゼル監督の作品だから観ました,主演のエマ・ストーンは苦手です。」みたいな人の感想なので,軽い気持ちで目を通してもらえればと思います(笑)

 

あらすじ

 冬の朝、ハリウッドを目指す車で大渋滞になっている高速道路上で、ハリウッドスターを夢見る女優の卵ミア(エマ・ストーン)と、廃れていく古き良きジャズを憂い、ジャズを奏でる自分の店を持つことを夢見るものの、現状明日の仕事すらままならないジャズピアニストのセブ(ライアン・ゴズリング)が最悪の形で出会う。

 2人はその後も季節の流れと共に幾度となく出会い、じきに惹かれあっていくが、2人の夢への姿勢,恋心も月日と共に移り変わっていき…

基本情報

監督・脚本:デイミアン・チャゼル

出演:ライアン・ゴズリングエマ・ストーンジョン・レジェンドJ・K・シモンズ

制作国:アメリカ合衆国

日本公開:2017年

上映時間:128分

こんな人におすすめ

・オープニングでワクワクする映画が好き!

・夢を追いかける物語が好き!

・切ないラブストーリーが好き!

感想(良かった点)

 思ってたより面白かった!レ・ミゼラブルの影響でミュージカル映画ってほとんど全部歌ってんのかと思っていたけど,そうじゃないのね。

 これくらい時々歌って踊るくらいなら全然楽しく観れました。

この映画面白いでしょきっと!って思わせてくれるオープニング

 今作冒頭の1曲目「Another day of Sun」のシーンは作中で一番お気に入りのシーンでした。

 このシーンに関しては岡田斗司夫さんがめちゃくちゃ詳細な解説をYoutubeでされていたので,映画を観て気になった方は是非見てみてください。

 自分は,違う曲を聴いていたドライバーたちが一つになっていく=みんな実は同じところを目指している,ハリウッド行きの車線(踊る側)は止まるほど渋滞しているのに他の車線は流れている=踊っている人達は銀幕を目指しているけどたどり着けずに足踏みしている,くらいしか気づけなかったけど,岡田さんは歌詞からなにからいろんなことを考察していて非常に面白いですよ。

実際世の中でありえそうなそこそこリアルなエンディング

 今作は,ミアとセブが互いに夢を目指したり諦めかけたりしながら進んでいくのですが,お互いのおかげで夢をあきらめないことを決めたのに,お互いが夢を叶えたその時に隣にいるのは別の相手になっています。

 なんかちょっとリアルだと思いません?人生を変えた相手と共に人生を歩むとは限らないっての。

 完全ハッピーエンドを求める人達からすると,今作のエンディングはハッピーエンド度は言い切れないという不満があるらしいですが,夢を追ってハリウッドに来て夢を叶えている以上,十分ハッピーエンドだと思いますし,「いつまでも幸せに暮らしましたとさ,めでたしめでたし」ではないハッピーエンドの形って感じがして僕は好きです。

セブの絶妙なガラの悪さがいい味してる

 ジャズバーの開店を夢見る主人公セブ,まあまあガラ悪いです(笑)

 看板叩いて壊してみたり,ミアの家にミアを呼びに来た時に玄関でチャイム鳴らさずクラクションで到着を知らせたり,クリスマスに雇い主から指示されたクリスマスソングを弾かないでみたりとなかなかやんちゃです。

 時代の流れに逆らって古き良きジャズをやりたい!っていう斜に構えたキャラクターの性格にマッチしてます。

 家の前来たらクラクション鳴らすやつは実は自分の友達にもいたことがあるので,あの到着の合図グローバルなんだ!ってちょっとだけ親近感沸きました。

観ててダメージを負わないチャゼル映画

 デイミアン・チャゼル監督の映画って,面白いけど見るときちょっと心にダメージ負いません?セッションなんか特に顕著ですけど。

 なので,僕はチャゼル監督の作品は大好きなのですが,あまり短いスパンで繰り返し観れません。

 劇場公開で観た作品も,もう一度劇場で観たいと思いつつ,心を決めて劇場に行けるようになるまでに劇場公開が終わっていて,後で配信でもう一度観る,というパターンが定番です(笑)

 でも,この作品はそんなことはなくて,気に入っていたら何度でも観れそうだなって感じがしました。

感想(いまいちだった点)

 特になし。

 じゃあなぜ★7なんだという話ですが,やっぱりエマ・ストーンがあまり好きではない。それと,他のチャゼル映画よりも人の辛い部分の描き方が弱くて,魂を揺さぶられる度合いが小さかったっていうのがあります。

 キャラクターだけでなく観客の心までも折りに来る辛さの表現が自分は好きなんだろうなぁ,と思います。

 

 チャゼル監督の作品の中では万人受けしそうな感じで,わりかし気楽に観れますし,誰とみても楽しめるし,音楽はいいしで,観たことがある人が多くて話題にもできるしで,一度観てみる価値は十分あるかと思います!